シネマ【アリスのままで】※ネタバレあり

解説↓↓
若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、
そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマ。

あらすじ↓↓
50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、
大学での講義中に言葉が思い出せなくなったり、
ジョギング中に家に戻るルートがわからなくなるなどの異変に戸惑う。
やがて若年性アルツハイマー病と診断された彼女は、
家族からサポートを受けるも徐々に記憶が薄れていく。

                    ※シネマトゥデイより抜粋※

アクション映画ではないのでわざわざ映画館にまで足を運ぶ必要があるのか?

と迷いつつも、いつかではなく今すぐに観たい映画が時々あります。

過去には【ツナグ】や【ファミリーツリー】など・・。

基本的に病気がベースの物語は好きではないのですがこの映画もなぜだか

どうしても観たくて汗だくになりながら劇場に向かいました。


今のところ、わたし自身や身内には重い病気を患っている人はいないのですが

友人ふたりのパートナーがそれぞれ白血病や脳腫瘍を患い現在も戦っていることもあり、

ひとごとと考えるにはあまりにも身近なので、心のどこかで『明日は我が身』と

思っている部分があるからかもしれません。


病気は本人はもとより、身近な家族が一番つらいだろう。

とりわけ脳の病気となると、切なさは増す気がする。

昔何かのTVでドクターが一番なりたくない病気は何かという話の中で

『脳の病気』と言うのが圧倒的に多かった。

なぜなら

『自分が自分ではなくなるから』。

これもまた何かの番組でアルツハイマーのことを

『神様からのご褒美』と称していた。

本人にはストレスがないから、と言うような理由からだったと思う。

が、さすがにこれは綺麗ごとだろう・・と個人的には思う。


介護疲れと言う言葉があるように、介護は精神的にも肉体的にも相当な負担が

掛かるのだろう。経験がないからわからないのだが。


そりゃあ出来ることなら誰だって病気になんかなりたくない。

事故や事件にも巻き込まれたくない。

『ぴんぴんころり』なんて言葉は悪いが理想的な生き方だと思う。





ジュリアン・ムーアの熱演がとても素晴らしかった。

自宅のトイレの場所がわからず失禁してしまうシーンには胸が痛んだ。

また、彼女の夫、彼女を取り巻く家族の絆が徐々に深まっていく様子も

観ていて温かい気持ちにさせられた。

もし自分が当事者だったら?

時には考えてみる必要があるのかもしれない。