祖母とみかん
クリスマスが近付くと、2年前に他界した母方の祖母をよく思い出す。
2年前の12月22日。
少し前から祖母が入院していてどうしてもわたしたち兄妹に
会いたいと言っているから見舞いに来て欲しい、と母から
連絡を受け、兄と相談して23日に行こうという話になり。
22日、最期の日。
その日の夕方、祖母はとても元気で病院食もきちんとたいらげたそう。
しきりにおまんじゅうを食べたいと言っていたくらい食欲もあったそうだ。
のんびりと夜を過ごしていたときに、父から突然の電話。
あの夜から早2年が経とうとしている。
毎年冬になると祖母の家には段ボールに入った山盛りのみかんが置いてあり
幼い頃、わたしはそれを食べるのが大好きだった。
みかんが好き過ぎて、手のひらが黄色くなるほど食べていた。 笑
今でもみかんが大好きだけれど、祖母を思い出し、少し切なくなる。
あと1日早くお見舞いに行ければ会えたこの悔しさは恐らく生涯
忘れることはないと思う。
消えかけたろうそくが一瞬強く光を放つように、あの日の祖母は
まさにその力を振り絞っていた瞬間だったのだろう。
今日、美味しいみかんが届いた。
食べ過ぎに気をつけなくては、と手のひらを見ながら思った。 笑